朝起きて、ワシンと話す。ワシンは日本語が分かるので嬉しい。言語が通じることの喜びを感じる。ワシンはタイに帰ったら映像制作の会社に入社することが決まっているらしい。今もタイでがんばっているかな。
朝食は同じ部屋のメンバーと時間が一緒のときは同じテーブルに座って一緒に食べる。
私は英語がさっぱり分からないのでふむふむと会話は聞くけどほぼ話さない。何か聞かれたらもう一度言ってもらって答えられそうことだけ簡単に言う。
バゲット、ヨーグルト、飲み物
バゲットをナプキンに包む。
受付で部屋の予約を済ませてみゅうへ。
美術館のフリーパスの券を購入。いろいろあるみたいだけど2daysにした。
それでも高く感じたけど毎回入場のときに払うよりはお得になると思っての購入。
さっそくヨーロッパ写真美術館へ。欧州でも最大の写真美術館らしい。
入り口でピンクのかわいいワンピースを来たスタッフの方が両手の人差し指を立てながら、11時からのオープンということを教えてくれた。最初はフランス語で、次に英語で伝えてくれた。フランス人は英語を使いたがらないと聞いていたけど、フランス語が通じないことが分かると英語で話してくれるのできっといろいろ変わったんだろうなと感じる。そしてみんな本当に優しい。
オープンまで時間があったのでH&Mに寄って太めのボーダーのてれてれしたTシャツを買った。かわいかった。
外に出て少し散歩しようかなと思ってたら「もしかして日本人の方ですか」と日本語で話しかけられた。フランス人の男性。お茶をしないかと誘ってきたので時間もあるしカフェに行けるチャンスだと思って一緒に行くことに。
アラン。36歳。見た目は50歳近かったので驚いて「36歳?!嘘でしょ」というようなリアクションをしたらすごく怒られた。本気で怒っていたけどどう見ても36歳には見えなかった。
アランは日本語がペラペラでとても上手。日本で生まれたのか住んでいたのか。東京のどこに住んでいるのかと聞いてきたので当時住んでいた都立大学と答えたら「すごい偶然。私も東横線の綱島にいたよ。近いね」と言って来た。本当かな?会ったときから私はアランを怪しい人物と思って接していたのでかなり疑った。アランのお母さんが銀座と代官山でレストランを経営しているというので、帰ったら行ってみたいからお店の名前を教えてと言うとそのときだけなぜか聞き取れないフランス語で伝えてきた。何度聞いても聞き取れない。ますます怪しい。日本語も書けるというので持っていたメモ帳に書いてもらう。確かに上手だった。日本では大学でラグビーのコーチをやっていたらしい。
どこの大学に行っていたのかを知りたがったので教えたら「ユーミンといっしょだね。南フランスに別荘があって隣に住んでいるのがユーミンで友達だよ」と言う。信じられない。ユーミンが犬をたくさん飼っていること、子どもがいない理由などをアランはあれやこれやと言うので友達のことをそんな風に話すもんじゃないぞと心の中で突っ込む。私の太々しい態度に気がついてるのはいないのか、アランはまた会って今度は一緒にディナーを食べようと言ってくる。断ったけどとてもしつこいのでOKということにして明日の18時にオペラ座の前で待ち合わせと決めた。そのこともアランがメモ帳に書いた。ひらがな、カタカナ、漢字、全て使えるらしい。最後に「明日会うことはだれにも言わないでね」と言うのでどうしてかと聞くと「言って欲しくない」の一点張りだった。誰かに会う予定はあるかと聞くので今夜日本人の友人に会うことを伝えると焦り出して「その人には絶対に言ったらダメだよ」と念押しされる。お茶代をごちそうするよと言ってくれたけど借りを作りたくなかったので断った。せっかくだからおごってもらえばよかったかな。こういうときかわいらしく上手にできる人が世の中うまく渡っていけるんだろうなと思った。外に出て分かれるときもアランは明日会うことの確認と絶対に誰にも言ってはいけないことを伝えて来た。怪しさ満点なんですけど。さよならアラン。嘘が下手ね。
11時になったのでヨーロッパ写真美術館へ。エントランスにかわいいカタツムリがいたのでしばらく見ていた。受付にはピンクのワンピースの彼女、とても美人で聡明な印象。かっこいい。どんな写真があったのかさっぱり覚えていないけど中庭のようなところの緑がとても豊かだったような記憶。大きな写真がたくさんあったような。
そこから歩いて今度は書簡と筆跡博物館へ。地球の歩き方でも地味な案内だったけどぜったいおもしろいだろうと思って行くことに。道すがらまた声をかけられるけどアランのこともあったので無視した。今思えばどんな人で何の用事だったのか気になる。
書簡と筆跡博物館はとても素晴らしかった。建物も素敵だし、暗い照明にぎゅうぎゅうに展示された偉人たちの筆跡。サン=テグジュペリ、マリー・アントワネット、マグリット、ミロ、マルセル・デゥシャン、マティス、ロートレック、セザンヌ、モネ、プッチー二(文字が音符になっていてかわいい)、ワグナー、シューマン、モーツアルト、ベートーベン、アインシュタイン、などなどものすごい数の人たちの筆跡が見れて、文字好き、紙好きには堪らない博物館だった。興奮しっぱなし。ただ人気がないのか入って出るまで来場者は私ひとりでずっとスタッフは話し込んでいた。
出てメトロのVAVIN駅まで歩く。モンパルナス墓地に言ってマン・レイとサルトルのお墓に手を合わせる。マン・レイがここに眠っていると思うとなんだか感慨深い。他にも著名人のお墓がありみんな普通にお墓に参るらしい。
16時にかよこさんと待ち合わせ。パリ2日目に出会ったかよこさん。美容院に行ったりアトリエに通ったりパリを満喫しているとのことだった。かよこさんが数日間通っているアトリエに見学に行かせてもらった。1日だけの体験もできるということでせっかくだから予約をした。光がきれいに差し込むアトリエでみんなで絵を描いている。モンパルナスはシャガールやロートレック、フジタなど多くの芸術家が集ったカフェがいくつもある芸術家の町。時間がなくてみんなが集まったというカフェに行かなかったことを今も後悔している。
久しぶりにメトロに乗ってTOROCADERO駅へ。外に出てトロカデロ広場に出る。目の前にドンとエッフェル塔が見える有名な観光スポット。私もかよこさんに写真を撮ってもらう。ほんとうにすごい場所だなと思った。気持ち良いくらいよく晴れて青空、最高。
そこからかよこさんが借りているアパートまで歩く。途中、スーパーで買い物。
アパートはとてもおしゃれな雰囲気で広くて窓から緑も見えるしすごく良いお部屋だった。うらやましいくらい。かよこさんは保育園の園長先生を定年で退職してそのお祝いでパリに旅行に来たそう。夕ご飯のお料理をいろいろ用意してくれていた。日記には、サーモン、パイの肉詰め、ホワイトアスパラ、パプリカ、人参、おいも、えび、メロン、さくらんぼ、と書いてある。ソテーされたりしていたんだろうと思う。赤ワインも。あまりお酒は得意ではないけどいただく。いろいろお話をしてまた日本で会えたらいいねと連絡先を交換した。かよこさんは地方に住んでいるけど息子さんが東京にいるからよく遊びに来るらしい。アクティブなかよこさん。そしてとても優しかった。
初めて夜のメトロに乗って帰宅。無事に帰れた。
宿に戻るとちょうど男の子3人組みが部屋の空きがないと断られているところだった。困っている様子で可哀想だったので持っていた地球の歩き方を貸して、宿のところを指差しで教える。英語圏の人たちだったけど私の適当な説明を理解してくれてよかった。終わったら受付に預けておいてと伝えて私は部屋へ。10人部屋はメンバーが入れ替わり立ち替わりといった感じ。空いているうちにシャワーを浴びておやすみなさい。
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